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超音波複合振動

     
  超音波複合振動および高周波数振動の応用  
 
 
  複合振動および高周波数により超音波溶接等の性能が顕著に向上する  
     
   複合振動溶接の特性   
     
     写真1は、従来の直線振動軌跡および円形振動軌跡を用いて、27kHz振動振幅6.0μm(片振動振幅:縦振動成分)で溶接部が剥離する程度の短時間で重ね合わせ溶接を行なった板厚0.1mmのアルミニウム板試料の溶接部の状態である。直線振動軌跡と比較して円形振動軌跡を用いた場合には溶接部面積が数倍以上になっており、より一様な溶接強度の大な方向性の無い溶接が可能となる。
 写真2は19kHzの縦振動源で一軸校正の斜めスリット縦-ねじり振動変換器を介して複合振動円形溶接チップを駆動する複合振動超音波シーム溶接装置の構成例を示す。円形溶接チップと移動台の間に試料を重ね合わせて挿入し、溶接チップの回転と作業台を同期した自動送り装置により連続的に溶接する。
 
   

     
 
    (a) 直線振動軌跡        (b) 円形振動軌跡      
          写真1 27kHz、同一溶接条件で(a)直線振動軌跡
       および(b)円形振動軌跡で接合した板厚1.0mmの
       アルミニウム板の溶接状態の比較
             写真2 振動周波数19kHzの複合振動円形
          溶接チップを用いた超音波連続シーム溶接装置。
          円形溶接チップを有する振動系の回転および
          溶接試料自動送り装置。
 
         
     第1図は周波数19kHzの直線振動および複合振動溶接チップを用いて、板厚0.3mmおよび3.0mm、板幅50mmのアルミニウム板をシーム溶接した場合の振動振幅、入力パワーおよび溶接強度の関係を示す。

直線振動では2,000N近くの溶接強度を得るのに振動振幅14μm(片振動振幅)以上が必要であり、しかも大振動振幅により溶接部周辺が損傷を受け、また振動疲労により溶接部の強度が低下し、溶接強度がばらついている。これに対して複合振動では振動振幅3.2μm以上で2,000N以上の強度が得られ、振動振幅が増加しても強度が僅かに低下するのみで安定な接合が可能になることが分かる。
また入力パワーも直線振動の場合に比べて1/2以下に小さくなり、複合振動の有効性が明らかである。
   
(a)


(b)
 
        第1図 (a)直線振動および(b)複合振動を用いた場合の
振動真p抜く、入力パワーおよび溶接強度の関係

溶接試料:板厚0.3mmおよび3.0mmアルミニウム板(JISA1100P-0)
 
     
    第2図は複合振動および周波数の効果を調べるために、120kHzおよび190kHzの直線軌跡および190kHzの円形振動軌跡の溶接チップを用いて直径0.1mmのアルミニウム細線の溶接条件を調べた結果を示す。下部溶接試料は板厚1.0mmの銅板である。溶接強度は溶接した試料を接合面に直角に引っ張り、破断に至る最大力を測定した。直線軌跡の場合には振動周波数が190kHzの場合には溶接チップ振動速度、振動振幅が0.45m/s、0.38μm(片振動振幅)で120kHzの場合の0.75m/s、1.0μmと比較してかなり小さいが、溶接試料が溶接部で剥離せず細線部で破断し、溶接強度がアルミニウム細線強度とほど同程度になる溶接時間は120kHzの場合の1/2程度に短くなり、高振動周波数の効果が分かる。また190kHzの直線軌跡および円形軌跡の場合には、振動速度、振動振幅は同一であるが、更に十分な接合に必要な溶接時間が短くなり、複合振動の顕著な効果が分かる。

 第3図は、直径0.1mmのアルミニウム細線と銅板を190kHzおよび600kHzの直線振動および190kHzの円形軌跡の溶接チップで接合した場合の溶接部の温度上昇をアルミニウム-銅間の熱起電力により測定した結果である。190kHzの直線振動軌跡の場合より、高周波数600kHzの場合の温度上昇が大で、さらに600kHzの場合より190kHzの円形軌跡の場合の方が温度上昇が大であることが分かる。溶接境界面の温度は必ずしも溶接強度に対応しないが、良好に溶接が行なわれる場合には温度上昇が大であると考えられ、高周波数および円形軌跡(吹く銅振動)の場合に溶接特性が良好となることが分かる。

 このアルミニウム細線のワイヤーボンディングの場合の接合部の温度上昇は、50kWの電力増幅器を用いた場合の接合部の温度上昇に対応している。
 
     
   
第2図 120kHzおよび190kHzの直線軌跡、
190kHzの円形振動軌跡による直径0.1mmの
アルミニウム細線・板厚.0mm銅板の溶接条件
 
第3図 190kHz、600kHzの直線振動軌跡
および190kHzの円形振動軌跡溶接チップ
による直径0.1mmアルミニウム細線・銅板
試料の溶接面の温度上昇(溶接試料間の
熱起電力により測定)の比較
 
     
  超音波TECHNO 2007.11-12
特集 超音波溶接・溶着の”いま”と”今後”の展開より
 
 

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